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新幹線が運休した時の払い戻しとルール

新幹線が運休となった場合の扱い

最終更新:2024/05/11 13:01:21

新幹線が運休となったらどうする

新幹線の運休

台風や大雨、大雪、故障などで新幹線が運休となるケースは年に何回か発生します。運休ともなると駅員さんも乗客も電光掲示板もぐちゃぐちゃでわけがわからなくなります。

 

運休のルールはJR旅客営業規則にきちんと明記されていますが、状況で変わることがあります。実際の運休時は駅の立て看板や公式サイトの最新情報、駅の構内放送に注意して従うようにしてください。

 

本記事では複雑なルールをわかりやすく解説します。遅延については新幹線が遅延したらをご参照ください。

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運休に関する基本

新幹線に限らず鉄道は、強風や大雨での運行基準を元に運転の見合わせや、徐行運転、運休の処置をとります。

 

2017年頃までは天候が影響する場合でも「徐行運転」→「運転見合わせ」→「一部運休」→「全線運休」と可能な限り運行させてました。

 

最近では、あらかじめ台風の接近があると事前に運休とするケースがあります。無理に動かしても安全面の問題や、結果的に利用者の負担になるため見直されています。

 

早いところ見切りをつけてくれた方が我々利用者も別の移動手段や、移動を取りやめることに頭を切り替えられるので助かります。

 

運転見合わせと運休の違い

運転見合わせとは

運転見合わせは、列車が出発を待機している状態で、運転できる状態になったら出発します。
目的地に2時間以上遅れて到着すると特急料金だけが払い戻しされますが、1時間59分の遅れだと原則払い戻しはありません。

 

運休とは

運休は、その日の出発は取りやめを意味するため、原則全額払い戻ししてもらえます。
ただし、振替輸送が行われる場合は、代替の輸送手段を利用すると運賃(乗車券分)を規則上は払う必要があります。
乗車券は出発地から目的地までを移動するための契約であって、手段は関係がないからです。

 

「運休」と「運行中止」という2つの呼び方がありますが、鉄道会社が公式に使うのは「運休」です。駅で立てられる掲示板も「運休」に統一されています。

 

 

運転見合わせの基準

大雨

東海道新幹線は基準を設けて運転見合わせを判断しています。下記いずれかで運転を見合わせます。

  • 60mm/時間以上の雨
  • 40mm/時間以上かつ、連続で150mm以上の雨
  • 連続で300mm以上かつ、10分で2mm以上の雨
  • 土壌雨量指数による判断

土壌雨量指数は気象庁の指標。土壌にどれだけの水分量が溜まっているかを数値化したもの。

 

降雨量は東海道新幹線が設置している59箇所の雨量計で計測しています。

 

ご参考までに他のJR各社は下記基準です。

  • 山陽新幹線では、55mm/時間以上で運休
  • 九州新幹線では、100mm/時間以上で運休

 

JR東日本の新幹線は2008年より「実効雨量」基準を採用しており、他社の時雨量方式とは違います。
土壌の水分量から割り出して安全かどうかを判断するというものなので、JRの発表次第ですが、他の新幹線の目安とは大きくは違いません。

「実効雨量」とは、降った雨が時間の経過とともに浸透・流出することで 変化する土中の水分に相当する量であり、線路およびその周辺での土砂災害との関連性がよい指標です。

出典:東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)

 

遅延は新幹線が遅延したらをご参照ください。

 

強風

強風では全国の各新幹線は統一されています。

  • 風速20m/秒以上で段階的に徐行運転
  • 風速25m/秒以上で運転見合わせまたは徐行
  • 風速30m/秒以上で運休

 

在来線は25m/秒以上で運転見合わせとなるケースがほとんどなのに対して、新幹線は風に強いことがわかります。防音と兼用の防風柵や元々300km近くで走行するのでは風に強くないと困ります。

 

風で他に危険なのは飛来物です。看板が飛んできて運休した列車も過去にありました。それらを加味して安全な基準を設けています。

 

風速の目安は下記のとおりです。
・風速10m・・・時速換算で36km、電線ゆれる
・風速20m・・・時速換算で70km、電線が鳴る
・風速25m・・・時速換算で90km、台風クラス
・風速30m・・・時速換算で108km、トラック横転

 

風速の計測も東海道新幹線が独自に設置している風速計で測定・判断しています。

 

遅延は新幹線が遅延したらをご参照ください。

 

 

運休の基準

運休の基準は風速30m以外は明確には数値では公表されていないです。(もし基準があり、ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください)

 

全線が運休となるのは大型台風の上陸が見込まれる場合です。これは数年に1度あるかないかです。ほとんどは一部運休というケースです。

 

JRは年に数回ダイヤを発表していますが、特定の列車を運行しなければ運休の扱いとります。身近な例では、コロナ初期のころです。利用客の大幅減少から計画された臨時列車はすべて運休扱いとなりました。

 

 

その他の例では、大雨や人身、設備故障などで一部列車を運休させるケースです。一番困るやつです。

 

例えば大雨で午前中の新幹線がすべて運転見合わせとなった場合、午後の列車は本数を間引いて運転します。午後に全列車をほど時間がないからです。

 

このケースでは、指定席で運休する列車にのる予定だった場合は手数料無料で払い戻してもらうか、後続の列車に変更するかを選べます。自由席だと後続列車に乗るしかありません。

 

 

運休による保障の原則

保障は切符の払い戻しのみ

JRが責任を負ってくれるのは、購入した切符の払い戻しに限られます。ホテルキャンセル料、乗り継ぎの飛行機代金もJRは負担してくれません。

 

本人が申し出ない限りJRは何もしませんので後述する払い戻しを受ける方法をご参照ください。
(エクスプレス予約、スマートEXであれば未発券の場合に限り、自動的に払い戻しされます)

 

飛行機、ホテルのキャンセル料は自己負担

例え、新幹線が運休したことで飛行機に乗り遅れた場合、宿泊先のキャンセル代金も、遅延、運休の理由がどうであれ、JR側は責任を負ってくれません。

 

故意に列車を遅らせた人がいた場合は、その人に個人的に訴訟を起こして賠償請求できる可能性はあります。そこまでは普通はできないでしょうから結果泣き寝入りです。

 

タクシーの利用は自己負担

一部運休している区間だけタクシーを利用した場合では、乗車しない区間の払い戻しを受けられますが、タクシー代金はもちろん自腹になります。

 

運休区間の振り替え輸送でバスが準備されることがありますので、自腹が無理な場合はJRが用意した振り替え輸送手段(無料)を利用しましょう。

 

仮眠所、振り替え輸送はJRの好意

よくある運休時の利用者へのサービス例として、駅や列車に仮眠所を用意してくれたり、振り替え輸送のバスを手配してくれたりすることがありますが、いずれも義務ではありません。

 

近年は利用者をないがしろにすれば一斉に非難されますので、可能な範囲でなんらかの対応はあると思って間違いありません。

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運休となったら

きっぷの購入前

目的地までの区間が一部でも運休となった場合はその区間は原則販売中止となります。

 

その場合、振り替え輸送がないかご注意下さい。

 

バスや他路線で振り替え輸送を行っている状態だときっぷ販売することがあります。その状況で購入した場合には、状況を承知した上で購入したとみなされます。すると運賃(乗車券)を払い戻してもらえない可能性があります。
実際は払い戻してくれるとは思いますが規則上はNGなのです。

 

乗車前に運休となった場合

切符が手元にあり、改札を通る前(使用前)の状態では選択肢として以下の何れかを選択します。

  • 乗車をやめる
  • 後続列車に乗車する※運行している場合に限る
  • 後日乗車する

 

乗車をやめる場合

手数料なしで全額(特急券+乗車券)払い戻されます。払い戻しは翌日から起算して1年以内に駅できっぷを提示すればどこの駅でも手続きしてくれます。

 

自由席の場合は注意です。自由席で後続列車が動いているのなら乗車をやめるのは乗客都合になるため、払い戻し手数料が必要になります。自由席は乗る列車がそもそも決まっていないからですね。

 

後続の列車に乗車する場合

指定席券の場合は無料で後続列車に変更できます。
窓口で購入したきっぷは、通常1回しか変更はできませんが、運休が関係する場合は2回目でも3回目でも何度でも無料で変更することができます。

 

指定席券で後続列車に乗る場合は、無料で後続列車の指定席へ変更ができます。ただし、指定席が満席の場合は自由席を利用することになります。この場合、特急料の半額が返金されますが、乗車前に駅員さん、車掌さんに事前に申し出た場合に限られます。

 

実際運休となると、駅員さん、車掌さんは忙しすぎて捕まえられません。空くまで待つのも面倒です。

 

私の場合、後続列車の指定席が空いていれば適当に座り、混雑していたら自由席か最悪は立って行きます。列車内で検札に車掌さんがきた場合は事情を言えばその場で変えくれ、臨機応変に対応してくれますよ。

 

 

乗車中に運休となった場合

乗車中に列車が運行となった場合には以下の選択肢があります。

  • その駅で降りる
  • 有効期間の延長
  • 無賃送還
  • 他経路乗車
  • 不通区間の別途乗車

 

その駅で降りる(旅行の中止)

運休となった駅で降りることで、特急料金が全額、降車した駅から目的地までの乗車券分が返金されます。
後続列車も運行していない場合で、自宅まで別手段で帰ることができるなら良い選択肢です。
駅で払い戻しの手続きか払い戻し請求の証明をもらっておくことをお忘れなく。

JR旅客営業規則 第282条の2

JR旅客営業規則 第286条 

 

後日列車に乗る(有効期間の延長)

申し出た日から開通後5日以内に乗車して移動を再開することができます。
駅に切符を預けることになっており、切符と引き換えに証明書をもらい、再開時に受け取ります。

 

私自信もピンと来ない方法ですが、開通するまで駅周辺で寝泊まりする例が考えられます。
一度出発地に戻るよりも待ってた方が良いケースの場合は「有効期間の延長」と申し出ましょう。

JR旅客営業規則 第283条

 

出発駅に引き返す(無賃送還)

出発駅に引き返す場合は、全額(特急料金と乗車券代)が払い戻しされます。
事情がない限り行きと同じルートで戻る必要があります。
戻る際に途中駅で降りた場合は、出発駅から途中下車駅までの運賃(乗車券代)が差し引かれ、残り区間の運賃と特急料金は払い戻されます。
送還を終えた駅で払い戻し請求の証明をもらうこと。

JR旅客営業規則 第284条

JR旅客営業規則 第286条

 

他の電車で移動する(他経路乗車)

きっぷに記載の目的地へ移動可能な最短ルートの列車に無料で乗車することができます。
新幹線のケースでは区間が限られますが、在来線や特急列車を利用することもできます。

 

新幹線の特急料金との差額は払い戻しを受けることができます。
他経路に乗車する駅で証明を貰い、前途駅で払い戻しを請求します。

JR旅客営業規則 第285条

JR旅客営業規則 第286条

 

別の手段で移動(不通区間の別途乗車)

乗車駅から前途駅までの区間を乗客が自分で選択した別手段で移動した場合は、その区間の運賃(乗車券)と、特急料金の全額が払い戻しされます。

 

この場合は途中駅で「不乗車証明」を貰った上で払い戻しが必要です。

 

例として、運休したため一部の区間を路線バスで移動した場合はその区間分の運賃は払い戻されます。

JR旅客営業規則 第287条

 

 

 

まとめ

運休となったかどうかは駅での掲示や放送、WEBサイトなどに掲載されます。
駅で歯切りの悪い放送があった場合は怪しく、混乱状態で誤っている可能性があります。

 

大事なのは複数のサイトと手段で正確な情報をつかむようにしましょう。

 

 

運休や列車が遅れた場合は、心無い人が怒りの矛先を駅員さんに向けるケースが在来線でも多くみられます。

 

彼らに責任はありません。

 

もどかしいアナウンスで混乱を増幅させるケースもありますが、そこは「まぁまぁ」と許してあげましょう。
とにかく正確な情報が出るまで気楽に待つのが一番疲れない方法です。

 

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