最終更新:2024/10/06 10:49:46
30年以上も新幹線で販売されてきたアイス。スジャータ プレミアムアイスが正式な商品名ですが、残念ながら2023年10月31日からもう普通車では買えません。
ワゴン販売が終了するのと同時に終了しました。売上減少と人手不足が原因です。現在は、「のぞみ」全駅にアイスとコーヒーの自動販売機で乗車前、もしくはグリーン車でスマホで注文する2パターンです。
スジャータのアイスクリームについて詳しくご紹介します。
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古代インドで仏の教えを記した書物に登場する「釈迦」に乳がゆ(米をミルクで煮た料理)を供養して命を救った少女の名前です。
乳製品系が本業の会社なので、釈迦を助けた乳がゆにちなんで命名されています。
1991年より新幹線の車内で販売されたのが始まりです。
気になったので「めいらくグループお客様相談室」に問い合わせてみました。1991年から徐々に広がった様子なので、正確な発売開始日は販売元でもわからにとのことです。
以前は一時的に明治の「彩」とスジャータが交互に車内販売で売られている時期もありましたが、現在ではスジャータ一本に統一されています。
1種類1メーカに統一してしまうと、万が一メーカが生産できなくなった場合などリスクが高いため、複数の調達先を確保するのが企業としては基本です。にもかかわらず、スジャータに統一しているのは、やはり利用者に絶大なファンが多い表れです。
それが2023年10月で終了したので32年間で幕を閉じたということです。(グリーン車やJR東日本の新幹線ではまだ継続中)
アイスを食べるには下記のいずれかです。
東海道新幹線(東京~新大阪)、山陽新幹線(新大阪~博多)の普通車では車内販売がありません。アイスどころか飲み物も買えません。
列車内で買うには「のぞみ」「ひかり」のグリーン車にのってスマホで注文する必要があります。「こだま」号はグリーン車でも買えません。
車内販売は2023年10月末で廃止され、そのかわりのぞみ停車駅に自動販売機でスジャータアイスが販売されています。
アイスが食べたい場合は駅のこういった自販機で購入する必要があります。
以前はアイスが食べたいと思ったら、ワゴンカートでまわってくる車内販売の人に「アイス」下さいといえば買えましたが、今は亡き風景です。
こういうワゴン販売でした↓
青いカップのバニラ味は全国の新幹線で共通ですが、他の味は各路線で期間限定や独自の味が販売される。
種類が2、3種類ありますのでお好きな味をお楽しみください。迷ったらバニラです。
以前は、全国の9つ全ての新幹線路線の車内販売すべてで買えました。コロナ渦の2019年から車内販売が縮小、廃止が加速し、現在はほとんどありません。
路線 | アイス販売 | バニラ価格 | 他 |
---|---|---|---|
東海道新幹線 | △ グリーン車 (こだま除く) |
340円 | チョコ400円 |
山陽新幹線 | △ グリーン車 (こだま除く) |
340円 | 抹茶340円 |
北陸新幹線 | △ 一部販売なし |
340円 | - |
北海道新幹線 | ✕ | - | - |
東北新幹線 | △ 一部販売なし |
340円 | - |
山形新幹線 | △ 一部販売なし |
340円 | - |
秋田新幹線 | △ 一部販売なし |
340円 | - |
上越新幹線 | △ 一部販売なし |
340円 | - |
九州新幹線 | ✕ | - | - |
※価格は税込み
※表中の販売情報は2023年12月時点
定期的に限定商品が発売され、定期的に入れ替わります
ときどき期間限定のアイスがあります。上記は私が一番好きだったマンゴー味。2019年7月に370円と高めでしたが味は濃厚。食べ続けると濃厚すぎて後半苦しくなりますが好きでした。
過去には以下のような限定販売もありました。
コンポタージュ味(2010年3月ごろ)や、10万個限定での白桃(2014年7月17日~山陽新幹線330円)、10万個限定でのメロン(2014年8月8日~東海道新幹線330円)など。
季節によって見つけるときにラッキーと思って味見してみてください。スジャータはなかなかはずれないですよ。
スジャータのアイスはご存知の方も多いですが、氷のように固いです。プラスチックのスプーンを貰えますが歯が立ちません。本当の「歯」も折れるぐらいです。
購入後は10分~15分程度置いておくと程よい固さになります。
固い理由は、濃厚で濃密だからです。言い換えると以下が濃厚さと濃密さを生み出しています。
アイスクリームは日本の規格では成分が決められており、一般的に乳脂肪分が適度に多いほどおいしさが増します(一般社団法人 日本アイスクリーム協会)。
大分類 |
中分類 |
定義 |
---|---|---|
アイスクリーム類 |
アイスクリーム |
乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上のもの |
アイスミルク |
乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上のもの |
|
ラクトアイス |
乳固形分3.0%以上のもの |
|
氷菓子 |
糖液若しくはこれに他食品を混和した液体を凍結したもの又は食用氷を粉砕し、これに糖液若しくは他食品を混和し再凍結したもので、凍結状のまま食用に供するもの |
(表内の%は成分が占める質量の割合)
スジャータのアイスクリームは、乳脂肪分が15.5%あり(写真右側のバニラ味。左の抹茶は10.0%)、規格の倍近く含有しています。
一般的にミルクの成分はほぼ一律なので、そこから乳脂肪分を高めるには濃縮するなど手間がかかるため価格も増します。
そのかわりに濃厚な味を楽しむことができるのです。
ちなみにハーゲンダッツのバニラ味は、乳脂肪分が15.0%なのでスジャータの方が多く含まれます。
一方でスーパーカップバニラ味は乳脂肪分がゼロなのでラクトアイスに分類されます。
植物性脂肪分が13%ありますが、これは乳脂肪分とまったく違い、ただの油です。
美味しくて安いんですがね。
スジャータのアイスクリームはアイスに含まれる空気が少ないのも一つの特徴です。
目に見えるレベルではありませんが、空気の混入割合(業界用語で「オーバーラン」)が低く抑えられています。
空気の割合が少ないことが直接美味しさにつながるわけではありませんが、濃厚な味わいを狙うスジャータではどうしても固さが増す要因となっています。
乳脂肪分はハーゲンダッツのバニラと同等なので、固さはどちらかというとこのオーバーランが大きく影響していると個人的には考えます。
残念ながらどのメーカーもこの数値は公表していないので謎です。
(容積と重さから計算できるため、今度持ち帰って計算してみよう)
濃厚で空気含有量が低いと公式では言っていますが、それだけでは説明がつきません。一部売店で販売されている同じアイスは柔らかいからです。
実際、車内販売の人に聞いてみたところ、車内販売のアイスはドライアイスで温度管理をしているとのこと。駅や売店で販売されているのは冷蔵庫なので、温度が違うというのが答えです。
普通のアイスを同じようにドライアイスで冷やしても、スジャータのアイス程固くはなりません。
そういった面では説明があっていますが、少し公式での説明不足ですね。
東海道新幹線では、普通車の販売が廃止されたかわりに上記のような自動販売機が駅に設置されています。
ただ、すべての駅にはなく、「のぞみ」が停車する駅ホームに1~3台設置されています。
スジャータアイスが買えるのぞみ停車駅とその設置位置(2024年6月現在)
個人的には親しみもあるためか、スジャータの上を行くアイスは出会っていません。駅で買っても新幹線に乗って食べるまでの待ち時間が更に期待が増すのも理由の一つかもしれません。
340円しますが、まだ味わったことの無い方はその価値がありますので是非とも!
以下通販で購入もできます。
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